ピンポーン!「市議会議員の○○です。今度の選挙、ぜひ私に投票してください」
この戸別訪問は、公職選挙法違反です。○○、あうとー!
公職選挙法第138条によって、家などを訪ねて選挙の投票を依頼することは禁止されています。 「戸別訪問」による演説のお知らせ、氏名や政党の名称の宣伝などの選挙運動が禁止されています。
告示前ならいいんじゃないの?と思うかも知れませんが、その場合は「事前運動」という別の違反になります。
実際に私の家に、市議会議員を名乗る方が尋ねてきたので、気になって調べました。
いろいろと勘違いもあったので、必ず最後までお読みください。
選挙法違反はどこに通報すれば良いの?
選挙管理委員会へ通報すればいいと思っていませんか?選挙管理委員会は、違反に対して警告や指導をすることはできますが、取り締まる権限はありません。
取り締まるのは警察です。緊急を要するものではないので、110番ではなく、最寄りの警視庁へと電話してください。
ただ、選挙管理委員会へ知らせるのが無駄だというわけではありません。調査して悪質だと判断すれば、警察へと連絡してくれます。
証拠が無かったり、違反かよく分からない場合などは選挙管理委員会へ連絡すれば良いでしょう。
ネットでの違反は?
インターネットを利用した選挙運動が可能になっています。
インターネットでの選挙違反については、各都道府県の警察が通報窓口としてメールアドレスやメールフォームを公開しています。
東京都の場合は、インターネット以外の違反についても受け付けています。警察からの連絡がわずらわしいという方は、匿名希望としても大丈夫です。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken/senkyo/senkyo.htm
すべての戸別訪問が違反なの?
戸別訪問による選挙活動は、立候補者本人のみならず、支援者など誰であっても禁止されています。
ですが、すべての戸別訪問が違反というわけでは無いのです。簡単に言うと、選挙運動はNGだけど、政治活動はOKなんです。
例えば、「市議会議員の○○です。日頃から一軒一軒歩いてお話をうかがっています。活動をまとめた新聞をつくりましたので、お時間のあるときにお読みください。」
これはOKなんです。実際に私の家に尋ねてきた市議会議員の方は、こう言っていました。
名刺にも新聞にも、選挙のことはまったく書いてありませんし、選挙の話もしませんでした。
どう考えても選挙を意識しての活動だとは思いますが、投票を頼むようなことはしていないので違反ではないのです。
もし、通報しようと思っていたなら、良く思い出してみてください。違反で無い政治活動だったのではないでしょうか。おそらく、議員本人が尋ねてきた場合は特に、選挙については話題にしていないはずです。
その他のよくある違反行為
署名活動
投票依頼などを目的に、後援会加入などの署名運動を行なうことは禁止されています。
飲食物の提供
選挙運動において、食べ物や飲み物を提供することはできません。候補者からもらうのはもちろん、候補者へ届けるのも禁止です。(お茶や少しのお菓子などはOK)
ただし、候補者が選挙運動員などに、選挙運動期間中にお弁当を提供することは条件付きで認められています。(一人一食1,000円以内など)
買収
買収というと、お金で票を買うのをイメージするでしょう。それは「投票買収」と言います。
その他にも、「運動買収」があります。これは、選挙活動を手伝ってくれた人にお金を支払うことなんです。実は、運動員は基本的にボランティアでなければならないのです。(ウグイス嬢や手話通訳、機械的な労務を行なう労務者・事務員は届け出ておけば報酬を支払えます)
お金をもらった側も罪になります。知り合いが立候補するときなどは、気を付けておきましょう。
なりすましの可能性も
ネット選挙で注目されたのが、なりすまし行為です。候補者になりすまして違法な選挙運動を行なえば、その人の信頼をおとしめることも可能ですよね。
そういった行為は、ネットに限らず可能です。禁止されている戸別訪問を行なっているのが、ライバル陣営のなりすましの可能性もあるのです。
証拠が無いのなら、警察へ通報する前に選挙管理委員会へ相談するのがいいでしょう。
違法な選挙ポスターなどを見つけた場合には、その場で警察へ通報すれば捜査員がやってきます。写真撮影など調査をしてくれますが、どうなったかの結果は教えてもらえません。警察へお任せしましょう。
急を要する場合は遠慮せずに110番しましょう。